headless 曰く、
フランスの学校では無料の Microsoft Office 365 Education を使用できないとの見解を国民教育・青年省が示している
(国民教育・青年省の回答、
The Register の記事、
Siècle Digital の記事)。この見解は 8 月にフィリップ・ラトンベ下院議員が示した懸念 (PDF) に答える形で出されたものだ。ラトンベ氏は無償提供がダンピングに相当し、競争を阻害する可能性があること、データが米国のサーバーに保存されてデジタル主権が損なわれる可能性があることなどを指摘していた。
国民教育・青年省では、無償のサービスが公共調達の対象にならないと説明。また、デジタル省庁間総局 (DINUM) は Microsoft Office 365 が政府のクラウド中心政策の要件を満たさないとの見解を示しており、政府の政策がEU域から米国へ個人情報を転送する根拠となっていた Privacy Shield を無効と判断した EU 司法裁判所の Schrems II 判決にも合致すること、データ保護当局 (CNIL) が米国にデータを送信しない Office スイートを使用するよう勧告していることなどを挙げ、GDPR に違反する Microsoft や Google のソリューションを展開しないよう要請しているとのこと。
ラトンベ下院議員の質問はもともと国民教育・青年大臣のパプ・エンジャイ氏にあてたものだが、エンジャイ氏も省の見解に同意しているとのことだ。
| セキュリティ
| マイクロソフト
| EU
| 政治
| アメリカ合衆国
| プライバシ
|
関連ストーリー:
イタリアのデータ保護当局も Google Analytics が GDPR に違反すると判断
2022年06月27日
英政府、cookie 保存をオプトアウト化する計画
2022年06月19日
Meta、EU 域でサービス提供できなくなる可能性を示唆
2022年02月08日
Google Analytics、EU 域内で使用できなくなる可能性
2022年01月17日
欧州司法裁判所、EU・米国間のデータ共有協定取り下げを決定。米国企業に影響か
2020年07月20日
ドイツ当局、Facebook傘下のWhatsAppアプリに対しドイツでのデータ収集や保管を禁じる命令を下す
2016年10月06日
Source: スラッシュドット