米ミズーリ大学や米農務省 (USDA) 動植物衛生検査局 (APHIS) などが共同で実施した調査によると、米国のオジロジカは多くがヒトとの接触で SARS-CoV-2 (COVID-19 の原因となる新型コロナウイルス) に感染しており、感染したシカからヒトに感染したとみられる例が少なくとも 3 例あるそうだ
(USDA のニュース記事、
論文、
Ars Technica の記事、
動画)。
調査では 2021 年 11 月 ~ 2022 年 4 月に首都ワシントンおよび 26 州で野生のオジロジカ 8,830 頭から鼻腔内または口腔内のスワブサンプルを採取している。RT-PCR 法で SARS-CoV-2 陽性だった 944 サンプルのうち 391 サンプルのゲノムシーケンシングを実施してアルファ・ガンマ・デルタ・オミクロンを含む34のPANGO系統変異株を確認。少なくとも 109 回は SARS-CoV-2 がヒトからオジロジカに感染したことを進化解析が示しており、オジロジカ同士で感染した 39 例のほか、オジロジカからヒトに感染した可能性のある 3 例も確認された。
動物がヒトへのウイルス感染に大きな役割を果たしたという証拠はないが、サンプル採取当時にヒトでの感染報告が少なくなっていた変異株も検出されており、シカ科の動物が保有宿主として変異株を生む可能性もあるという。なお、APHIS は同時期にパートナーの協力を得てオジロジカ 11,000 頭以上からサンプルを採取しており、 12.2% でウイルスが検出され、31.6% で抗体が検出されたとのことだ。
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Source: スラッシュドット