Ars Technicaの記事によると、Windowsのシステムクロックが数日から数か月単位でズレてリセットされる問題が発生しているそうだ。原因は2016年から導入された「Secure Time Seeding」という機能。この問題により、データセンターや携帯電話番号の変更などでトラブルが生じ、影響が広がっているという(Ars Technica、GIGAZINE)。
具体的には、ノルウェーのデータセンターでシステムクロックが55日後にリセットされる事態が発生、携帯端末の電話番号の変更処理が誤って処理されるなどの問題が生じたとされる。2022年8月にも同様の問題が報告されており、ノルウェーのデータセンターのエンジニアのジーメン氏が問題の原因を追求したところ、「Secure Time Seeding」機能が原因であることが判明したとしている。
「Secure Time Seeding」は、システムクロックの正確性を確保するために、2016年から導入された仕組みで、システムの電源が切れている際でも正確な時間を維持する。同様に時計を合わせる方法としてはNTPサーバーを用いる方法があるが、この方法は外部のネットワークに依存するため、サーバーなどではセキュリティ上の問題が生じる可能性がある。そこでSecure Time Seedingでは、リモートサーバーと行うSSLハンドシェイクのデータに基づいて時間を設定する仕組みとなっている。
問題を報告したエンジニアらはMicrosoftにこの問題の対策を求めているが、現時点では効果的な解決策は見つかっていないとされる。Microsoft側は「Secure Time Seeding」が原因で問題が発生する場合、複雑な要因が影響している可能性があるとして、必要に応じて機能を無効化することを推奨しているようだ。
あるAnonymous Coward 曰く、
真っ先に無効にしてたから、今でも時刻が飛ぶ現象が続いてるって知りませんでした。
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