ガジェット

近畿大学、ウナギの完全養殖に成功

あるAnonymous Coward 曰く、

日本経済新聞の記事によると、近畿大学水産研究所が26日、ウナギの完全養殖に成功したと発表したそうだ。卵から人の手で育てた稚魚を親にし、その親からとれた卵をふ化させたという。

近畿大学水産研究所では過去に採卵・ふ化には成功したものの、仔魚が餌を食べるまでには至らず、今回の研究を 2019 年に再開するまで中断していたという
(ニュースリリース)。

ウナギの完全養殖は 2010 年に水産機構が成功しているが、実用的なコストでの大量生産には至っていない。今回の研究では水産機構が開発・公表している技術情報を用い、2019 年 9 月に人工ふ化に成功。人工ふ化したウナギの雌雄を親魚とするため、2022 年 9 月から人為的に成熟を促進する催塾を行ったところ 2023 年 7 月 5 日に受精卵が得られ、翌 6 日にふ化して完全養殖に成功した。

最初の受精卵からふ化した仔魚は 10 月 18 日時点で 46 尾が生存しており、8 月 3 日にふ化した仔魚が 124 尾、8 月 23 日にふ化した仔魚が約 420 尾いるそうだ。今後 3 か月から半年程度でシラスウナギに変態し、さらに1年程度かけて一般的な食用サイズに成長するとのこと。研究では養殖用種苗として利用可能になるシラスウナギまでの育成を第一目標としているが、この過程が最も難しいとされている。また、現在の仔魚飼育技術では大量生産の実現は困難であり、低コストで大量生産できる目途はたっていないのが実情とのことだ。

すべて読む

| サイエンスセクション

| サイエンス
|
この記事をTwitterでつぶやく
この記事をFacebookで共有
この記事をGoogle Plusで共有
このエントリーをはてなブックマークに追加

関連ストーリー:

チョウザメに女性ホルモンを与えることで雌化してキャビアを生産する試み
2019年12月19日

近畿大学、ニホンウナギの人工ふ化と50日間の飼育に成功
2019年11月07日

近大水産研究所、ゲノム編集で筋肉量を増やしたマダイを生産
2018年09月04日

多くの海の魚はあと5年ほどで枯渇する?
2017年10月10日

富山実験場の「近大マグロ」養殖研究、いったん打ち切り
2016年02月13日

ウナギ味の養殖ナマズ
2015年05月19日

クロマグロ完全養殖への道
2002年07月06日

Source: スラッシュドット