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NASA、米宇宙船にロシアの宇宙飛行士が乗る国際宇宙ステーションへのクルー輸送ミッションを実現したい

NASA はロシアのウクライナ侵略による緊張が高まった現在も、SpaceX の Crew Dragon 宇宙船にロシアの宇宙飛行士が乗る国際宇宙ステーション (ISS) 輸送ミッションを実現したいと考えているそうだ
(Ars Technica の記事)。

米民間機による ISS へのクルー輸送が可能になり、NASA は高額なソユーズの座席購入する必要がなくなった。それでも NASA とロスコスモスは、引き続きソユーズに米宇宙飛行士が乗る一方で、米民間宇宙船によるクルー輸送ミッションにロシアの宇宙飛行士が乗る「座席交換」を計画しているという。

現在、9 月に NASA のニコール・マン宇宙飛行士がコマンダーを務める Crew Dragon 宇宙船の Crew 5 ミッションにはロスコスモスのアンナ・キーキナ宇宙飛行士が搭乗を予定しており、ロスコスモスのセルゲイ・プロコピエフ宇宙飛行士がコマンダーを務める同時期のソユーズ MS-22 ミッションには NASA のフランク・ルビオ宇宙飛行士が搭乗予定だ。キーキナ宇宙飛行士の Crew 5 ミッション搭乗が実現すれば、2002 年のスペースシャトルミッション以来初めてロシアの宇宙飛行士が米宇宙船に搭乗することになる。

キーキナ宇宙飛行士はミッションに向けて先週ヒューストンを訪れており、6 月には再び訪米予定だ。しかし、座席交換の実現に関する両政府の公式な決定はまだ出ていないという。ヒューストンの ISS プログラムマネージャー、ジョエル・モンタルバーノ氏によれば、ロスコスモスはロシア外務省との合意を得てから首相の承認を得る必要があり、それから米国務省が承認するという手続きになるそうだ。

座席交換の実現は外交上の利点だけでなく、ロシアの宇宙船を利用することで西側のクルーを常に少なくとも 1 名は ISS に配置し、クルー交代の間も設備を稼働し続けられるという利点がある。ウクライナでの緊張を受けてその実現性には疑問符がついているものの、現時点では完全に半々といったところのようだ。

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Source: スラッシュドット