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米連邦地裁、多様性ある絵文字を送信できるアプリの著作権をAppleに侵害されたと主張する訴訟を棄却

headless 曰く、

米カリフォルニア北部地区連邦地裁の Vince Chhabria 判事は 16 日、iDiversicons というアプリを開発する Cub Club Investment (CCI) が Apple に著作権やトレードドレスを侵害されたと訴えていた裁判を棄却した
(裁判所文書: PDF
Neowin の記事
9to5Mac の記事)。

iDiversicons は送る人の肌色に合わせた絵文字をメッセージで使用可能にするというもので、開発者は 2014 年にアプリを Apple に見せて提携の交渉をしたという。交渉は成立しなかったが、翌年には Unicode で絵文字の肌の色を変える仕組みが導入され、iOS がいち早く取り入れた。そのため、CCI は同社の絵文字を Apple がコピーし、ルック&フィールも酷似しているなどとして 2020 年に Apple を提訴している。

判事は Led Zeppelin の「Stairway to Heaven」が Spirit の「Taurus」の著作権を侵害していないと判断されたことなどを挙げて著作権法がすべてのコピーを禁じているわけではないとし、Windows 2.0 の GUI をめぐる Apple 対 Microsoft の裁判の連邦巡回区第 9 控訴裁判所判決に言及して表現の種類が限られている場合は実質的に同じものでなければ著作権を侵害したとは言えないと指摘。例えばサムズアップの絵文字の表現方法は限られており、肌色も現実的な色に限られる。

その結果、著作権侵害が認められる範囲は非常に薄く、iDiversicons と Apple の絵文字を並べて見比べた結果、著作権侵害には該当しないと判断したという。また、ルック&フィールの類似性についても、トレードドレス侵害として認められない機能面による部分が大きいと判断したとのこと。実際に CCI 側が Apple の棄却申立に反論した文書の中で絵文字を並べてそっくりだと主張しているが、最も似ているものを選んだと考えれば無理のある主張といえる。

CCI 側は訴状を修正することも可能だが、主張がほぼ全面的に否定されている現状では望み薄とみられる。

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Source: スラッシュドット