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欧州委員会、鉄道で代替可能な国内線旅客機定期便の運航を禁ずるフランス国内法がEU法に違反しないと判断

headless 曰く、

欧州委員会は 1 日、鉄道で代替可能な国内線旅客機の定期便運航を禁ずるフランスの国内法が EU 法に違反しないとの判断を示した
(欧州委員会の実施決定 2022/2358
The Next Web の記事)。

是非が争われていたのは気候変動対策を規定する法律 2021-1104 の 145 条で、フランス領内すべての航空路線で同区間を 2 時間 30 分以内で結ぶ直行便の鉄道路線がある場合、発効から 3 年間限定で旅客機の定期便運航を禁ずるというもの。旅程に大きな影響を与えない限り、よりエネルギー効率が良く電化も進んでいる鉄道へ置き換えようとするものだが、航空会社や空港が異議を申し立てており、欧州委員会が審議していた。

145 条 1 の後段では、前段の禁止条件を具体的に示す国務院の意見を取り入れた法令の発布が必要とされている。法令の最終草案では 1)
交通上重要なハブ空港には 2 空港 (駅) 間を直結する高速鉄道が乗り入れており、その他の空港では同じ都市内に駅があること、2) 乗り換えが不要なこと、3) 毎日十分な回数かつ空港での乗り継ぎに適切な時間帯に列車が運行されていること、4) 日帰りの場合に目的地で 8 時間以上滞在できることが挙げられている。

2 空港間を高速鉄道が直結しているという条件で、パリ・シャルルドゴール空港とボルドー・ナント・レンヌ・リヨンを結ぶ 4 路線、パリ・オルリー空港とボルドー・ナント・リヨンを結ぶ 3 路線、リヨン・サンテグジュペリ空港とマルセイユを結ぶ路線の合計 8 路線が特定された。

しかし、シャルルドゴールからボルドー・ナントを結ぶ 2 路線は鉄道で 2 時間 30 分以上かかる。また、シャルルドゴールとレンヌ・リヨンを結ぶ 2 路線およびサンテグジュペリとマルセイユを結ぶ路線は 2 時間 30 分以内であるものの、ハブ空港であるシャルルドゴールまたはサンテグジュペリで早朝便や深夜便に搭乗するのに適切なスケジュールで列車が運行されていない。

そのため、開始時点ではオルリーとボルドー・ナント・リヨンを結ぶ 3 路線のみ定期便旅客機の運航が禁じられ、今後鉄道の便が改善された場合には禁止路線が追加されることになる。発効から 3 年間という期限に変更はない。

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Source: スラッシュドット