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検閲・監視・アクセス制限、Internet Archive が考えるディストピアな未来のインターネット

headless 曰く、

Internet Archive が 25 周年記念企画として、さらに 25 年後となる 2046 年のインターネットを垣間見る「Wayforward Machine」を公開している (特設サイトThe Register の記事Ars Technica の記事動画)。

Wayforward Machine が提示するのはディストピアとなった 25 年後のインターネットだ。表示したいページの URL を入力して「Go Forward」をクリックすればいい。

アクセスしたページのコンテンツにはぼかしがかけられ、このサイトには思想犯罪が含まれるので表示できないという真理省からの警告や、コンテンツを表示するにはすべてのプライバシー設定をオフにしろ、成人年齢に達しているかどうか確認のため身分証明書をアップロードしろ、有料プランに登録しろ、といったメッセージが次々に表示される。ただし、ぼかしのかけられたアクセス先コンテンツ現在のWebページそのままなので、未来感は薄い。

企画の趣旨としてはこのような将来が訪れないようなアクションを呼びかけるもので、インターネットのディストピア化に至る年表が添えられている。一部を抜粋すると以下のような感じだ。

  • 2022年 合衆国法典 230 条(通信品位法)廃止
  • 2023年 エンドツーエンド暗号化が世界の政府により禁止
  • 2025年 サードパーティーコンテンツに対する名誉侵害訴訟で Internet Archive の Wayback Machine が停止
  • 2027年 Wikipedia が地下に潜る
  • 2028年 複数の国民国家がグレートファイアウォールを実装
  • 2031年 米国も他国に倣い、厳しいデジタル規制を導入
  • 2034年 大手パブリッシャーすべての統合が完了
  • 2039年 統合により巨大化したパブリッシャーとテクノロジー企業が新しいデータアクセス制限の壁を確立
  • 2043年 Internet Archive などオープンな知識を提供するプロジェクトが地下に潜らざるを得なくなる
  • 2044年 ジョージ・オーウェルの「1984年」最後の印刷版が破壊される
  • 2045年 「1984年」を一般提供した活動家が終身刑に
  • 2046年 地下で Internet Archive 活動をしていた活動家がレジスタンスを構成

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Source: スラッシュドット