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木星大気の異常高温の原因がオーロラであることを示す研究結果

aruto250 曰く、

JAXAのジェームズ・オダナヒュー氏が主導する研究で、木星大気の高温状態を説明すると考えられる原因が特定された(JAXA の記事
論文
動画)。

木星の高層大気の平均温度は太陽光の入射量を基に推定すると約 200 K (-73 ℃) となるところ、観測される実際の温度は約 700 K (420 ℃)と大きな差異があり長年の謎となっていた。研究チームは木星高層大気の全球温度マップを最高分解能で作成することにより、木星大気の異常高温をもたらす熱源が強力なオーロラであると示すことに成功した。

JAXA の記事によると、研究チームはハワイ島マウナケアのケック II 望遠鏡による様々な解像度での観測結果から不確定性の低い観測結果を選び出して組み合わせ、できる限り解像度が高く信頼性が確保される木星の全球温度マップを作成した。その結果を JAXA の惑星分光観測衛星「ひさき」によるオーロラの観測データと合わせることでオーロラと木星表面温度の関係を明らかにしたのだそうだ。

個人的にはまず木星の気温 (高層大気の温度) が 420 ℃ もあるということを知らなかったので驚いたのと、熱源となる強力なオーロラが生まれる原因に木星の衛星イオがその活発な火山活動で宇宙空間に噴き出すガスが含む豊富な荷電粒子がある、という壮大な仕組みにロマンをかき立てられた。

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Source: スラッシュドット