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二次電池式電気自動車の充電に火力発電を主とした電力を使用しても、ライフサイクル全体では内燃機関エンジン自動車より温室効果ガス排出量が少ない

二次電池式電気自動車 (BEV) の充電に使用する電力が火力発電を主としたものであっても、ライフサイクルを通じた温室効果ガス排出量は内燃機関エンジン自動車 (ICEV) よりも少ない、という研究報告書を NPO の国際クリーン交通委員会 (ICCT) が発表した(報告書PDFThe Verge の記事)。

報告書では 2021 年に登録した中型車を 18 年間使用する条件で、ライフサイクルを通じた温室効果ガス排出量を比較している。バッテリー製造による温室効果ガス排出量が大きいことから、製造時点での排出量は BEV が ICEV を上回るが、ライフサイクルを通じた排出量では石炭火力の比率が高いインドでも BEV は ICEV より 19 % ~ 34 % 少なく、中国では 37 % ~ 45 % 少ない。再生可能エネルギーの比率が高い欧州では66%~69%少なく、米国でも 60 % ~ 68 % 少ない。2030 年の新車ではさらに差が大きくなると予想される。

BEV 製造時点での排出量はバッテリーのリサイクル技術が進めば大幅に減少すると予想されるが、バッテリーリサイクルに関する将来の技術や当局による規制の状況が不透明なため、研究では考慮していないとのことだ。

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Source: スラッシュドット