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訃報: Post-Itの粘着剤を発明したスペンサー・シルバー氏

3MでPost-Itの粘着剤を発明したスペンサー・シルバー氏が8日、80歳で死去したそうだ(3MのプレスリリースThe Registerの記事The New York Timesの記事Star Tribuneの記事)。

シルバー氏は1941年2月6日生まれ。コロラド大学で博士号を取得したのち、1966年に3Mの研究所に化学者として入社する。1968年、航空機の組み立てに使用可能な強力接着剤を研究していたシルバー氏は目的を果たせなかったが、紙を貼り合わせるのに十分な接着力を持ちつつ紙を損傷せずに剥がすことができ、貼り直しも可能な粘着剤を発明した。

シルバー氏は1972年にこの粘着剤(アクリル酸塩共重合体微小球)の特許を取得。社内でセミナーを繰り返し開催してこの粘着剤の将来性を宣伝し、製品化のアイディアを募集したという。そして1974年、同僚のアート・フライ氏がこの粘着剤を用い、書籍に挟んだ状態で脱落せず、傷を付けずに貼り直し可能なしおりを発明する。

このしおりは1977年に「Press ‘n Peel」という名称で製品化されたが、米国の4都市への試験投入は大成功には至らなかったという。しかし、1980年には全米で発売されて急速に人気を獲得し、その後は世界的に成功を収めて製品ラインアップも拡大していった(History Timeline: Post-it® Notes)。

シルバー氏は1996年に3Mを退職するまでに37件の特許を取得し、社内の有益な発明が製品化されずに放置されることを防ぐ仕事をしたとのことだ。

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Source: スラッシュドット