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火星ヘリコプター Ingenuity、新しい場所での飛行に向けてソフトウェアをアップグレード

NASA は 15 日、先日火星で 21 回目の飛行に成功したヘリコプター Ingenuity の飛行運用を 9 月まで延長すると発表した
(NASA ジェット推進研究所のブログ記事)。

21 回目の飛行はジェゼロクレーター北西部のセイター (Séítah) と呼ばれる領域を超えて次の運用場所へ向かうのに最低 3 回必要な飛行の 1 回目であり、Ingenuity はそこで火星探査車 Perseverance の 2 つ目の科学研究活動を助けていくことになる。

Ingenuity の新しい運用場所はこれまでの比較的平坦な土地とはまったく異なり、古代の川が形成した幅数 km、クレーターの底から 40 mの高低差がある扇状デルタだ。このデルタは数多くの地質学的新事実を秘めており、数十億年前に火星に存在した微生物の痕跡が見つかることも期待されている。

初めに Ingenuity は水路 2 本の跡地を調査し、Perseverance がデルタの頂上を目指す際に進むべき方向の選定に必要なデータを収集する。Ingenuity が収集したデータは Perseverance のルート選定だけでなく、研究対象となる場所の評価にも用いられる。さらには探査車で行くことのできない場所の撮影や、Mars Sample Return プログラムの着陸地点などの選定も行う可能性があるという。

NASA ジェット推進研究所 (JPL) の Ingenuity チームは新しい場所での運用に向けてソフトウェアのアップグレードを行っており、Ingenuity はこれまでの上限だった高度 15 m を超えた飛行が可能になっている。また、飛行中に対気速度を変更したり、地形の変化に合わせた調整を行ったりといったことも可能になっているとのことだ。

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Source: スラッシュドット