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日清食品と東京大学、「食べられる培養肉」の作製に日本で初めて成功

あるAnonymous Coward 曰く、

日清食品ホールディングスと東京大学の研究チームは 3 月 31 日、人が実際に食べられる素材を使って牛肉の培養肉を作ることに国内で初めて成功したと発表した
(プレスリリース
産経ニュースの記事)。

肉の細胞を培養して作成した「培養肉」は長さ 4.5 cm、幅 2 cm、厚さ 1 mm、重さが 2 g ほどで、しゃぶしゃぶ肉のような形をしているとのこと。培養肉の研究は世界中で盛んだがその多くがミンチ状で、このチームは肉本来の味や食感が楽しめるステーキ肉状の培養肉の実用化を目指している。

培養肉を喰らいながら「本物の肉を食いたいなあ」とぼやくディストピア世界に一歩進んだかもしれない。

研究グループでは 2019 年にサイコロステーキ状 (1.0 cm × 0.8 cm × 0.7 cm) のウシ筋組織の作製に成功している。「食べられる」という表現が少しわかりにくいが、食品として安全に利用できるという意味だ。これまでの研究ではウシ由来の筋細胞と食用ではない研究用素材を使用していたが、「食用血清」と「食用血漿ゲル」を独自に開発し、食用可能な素材のみで培養肉を作製できるようになったとのこと。これにより、研究過程で「おいしさ」に関する評価が可能になり、培養ステーキ肉の実用化に一歩近づいた。

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Source: スラッシュドット