ガジェット

名前のわからない YouTube クリエイターを訴えている ものみの塔、仮名での召喚状発行を求める

ペンシルベニア州のものみの塔聖書冊子協会 (ものみの塔) が YouTube クリエイターを訴えている裁判で、仮名での召喚状発行を認めるよう判事に要請している
(TorrentFreak の記事)。

この裁判は YouTube の kevin McFree チャンネルがエホバの証人の未公開動画を無断で使用した動画を 2018 年に公開したとして、著作権管理団体であるものみの塔がクリエイターを訴えているものだ。ものみの塔側は米デジタルミレニアム著作権法 (DMCA) に基づく文書開示令状を取得して Google / YouTube にクリエイターの個人情報を開示させようとしたが、McFree 側の異議申立により動画の削除にとどまった。

ものみの塔側がクリエイターについて把握している情報は kevin McFree という仮名のほか、Gmail アドレスと英国在住の英国市民であることのみにとどまる。本名が不明なため、クリエイターを相手取って昨年 5 月に別途提起した本格的な著作権侵害訴訟では裁判所の書記官被告に召喚状の発行を拒否されていた。

先に令状破棄の申立を行っているクリエイター側は実質同じ内容の 2 件の裁判を進める意味はないと主張し、まず 1 件目の裁判の結果を待つべきだとの考えを示していた。クリエイターは障害者福祉の給付金で何とか暮らしている状況で資金に余裕がないとして、2 件目の裁判には弁護士も立てていない。

1 件目の裁判は今年 1 月、動画の使用がフェアユースであったと認められ、令状が破棄された (PDF)。著作権侵害が認められなかったことから 2 件目の裁判も終結かと思われたが、ものみの塔側は令状が破棄されたのだから 2 件目の裁判でクリエイターが送達放棄を拒否する根拠もなくなったと主張してクリエイターを困惑させた (PDF)。

さらに 1 件目の判決は 2 件目の裁判に対する 2 次的禁反言の効力を持たないと主張し、(1) 被告を「kevin McFree」として知られる身元不明者 (John Doe) として召喚状を発行するよう書記官に命ずること、(2) 電子メールによる訴状の送達を認めること、を判事に要求している(PDF)。

すべて読む

| YROセクション

| YRO

| 法廷

| 著作権
|
この記事をTwitterでつぶやく
この記事をFacebookで共有
この記事をGoogle Plusで共有
このエントリーをはてなブックマークに追加

関連ストーリー:

ものみの塔が YouTube のレゴアニメクリエイターを訴えている裁判、3 年かけても名前もわからず
2021年07月26日

音楽出版社BMG、ものみの塔に著作権侵害で訴えられる
2020年12月27日

ニューヨーク市の学力テスト、「恐竜、ダンス、誕生日」など禁止トピック多数指定
2012年04月02日

Source: スラッシュドット