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各社COVID-19ワクチン比較や変異株発生に関する話題など

医学系のYouTube「緩和ケアちゃんねる」で、動画で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)向けのワクチンに関連する最新の論文三つを紹介している。いずれもタレコミで触れられているようにThe Lancetに掲載されたものだ(緩和ケアちゃんねる[動画])。

一つ目はファイザー、アストラゼネカ、シノバックスという3社のワクチンにおける抗体の持続に関する話題、続いてmRNAワクチンと不活化ワクチンの比較というもの。不活化ワクチンは日本脳炎やポリオワクチンなどで実績のある技術で、国内では明治ホールディングス(HD)傘下のKMバイオロジクスが開発を進めているという(日経新聞:各ワクチンの違い)。そして最後は変異株が発生する条件に関する話題となっている。

tamaco 曰く、

各社COVID-19ワクチン(ファイザー、アストラゼネカ、シノバックス)比較と、変異株が発生する1つのメカニズムを示した論文など。

抗体以外にも、メモリーB細胞、T細胞による細胞免疫も別にあるため、動画では抗体価だけでは比較できないとはいえ、抗体価でこれだけ差がでることは驚きである。

★引用・参考文献
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(21)01642-1/fulltext

ファイザー(mRNA)vs アストラゼネカ(ウイルスベクター)の抗体比較論文

ファイザー社コロナワクチン(mRNA)抗体価:21-41日目7506→70日以後3320 (44%)
アストロゼネカ社コロナワクチン(ウイルスベクター):21-41日目1201→70日以後190 (16%)

もともとアストラゼネカよりファイザーの方が6倍以上抗体価が高く、
70日以後では17倍の差が発生している

https://www.thelancet.com/journals/lanmic/article/PIIS2666-5247(21)00177-4/fulltext

ファイザー(mRNA)vs シノバックス(不活化ワクチン)の中和抗体力価比較論文

中和抗体PRNTの力価での比較(香港)
ファイザー社コロナワクチン(mRNA)抗体力価:PRNT50 269, PRNT90 113
シノバックス社コロナワクチン(不活化)抗体力価:PRNT50 27, PRNT90 8.4

シノバックスよりファイザーの方が10~13.5倍抗体力価が高い。

https://www.thelancet.com/journals/lanepe/article/PIIS2666-7762(21)00141-1/fulltext#%20

免疫不全患者における抗体治療がかえって変異株を生み出しやすいということを示唆する論文

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Source: スラッシュドット