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アメリカ自動車協会、自動緊急ブレーキは役に立たない場面が多いと主張

アメリカ自動車協会が 9 月 29 日、自動緊急ブレーキ (AEB) の制動実験結果を公表し、実際に AEB が有用な状況は限定的だと主張している
(ニュースリリース
The Verge の記事
リポート: PDF
動画)。

実験は時速 30 マイルまたは 40 マイルで走行中に前方で停止している車への追突回避と、交差点で前方に進入してくる車への側面衝突 (T-bone) 回避、左折時の対向車との前方衝突回避が AEB により実現できるかどうかを確かめるものだ。実験に使われたのはいずれも 2022 年式で、Chevrolet Equinox LT と Ford Explorer XLT、Honda CR-V Touring、Toyota RAV4 LE の 4 車種。

時速 30 マイルでは 20 回のテスト走行で 17 回 (85 %) の追突を防ぎ、衝突時の速度は 86 % 減少。時速 40 マイルの場合は 20 回中 6 回 (30 %) の衝突を防ぎ、衝突時の速度は 62 % 減少した。一方、側面衝突と前方衝突は 1 回も回避できず、ドライバーへの警告や速度低下は実行されなかったという。

ただし、米国家運輸安全委員会 (NHTSA) は AEB を追突回避のための技術と位置付けており、進路を横切る形で進んでくる車との側面・前方衝突回避は目的外となる。また、追突回避試験が義務付けられている速度は時速 12 ~ 25 マイルだという。そのため、AAA では自動車メーカーに対し、より安全面での利点が大きい先進運転補助システム (ADAS) 開発への投資を続けるよう勧告している。

なお、The Verge の記事は 1 週間前にいったん公開されたが、フライング公開だったのか直後に非公開となり、9 月 29 日に再公開された。

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Source: スラッシュドット